胸部異常陰影について

検診などで胸部のレントゲンを撮影すると様々な異常を指摘されることがあります。多くの場合、レントゲンだけでは本当に異常があるのかを判断することが難しいため、呼吸器内科を受診し、専門医による診断を受けることが大切です。具体的には、より詳しい検査として胸部の断層撮影(胸部CT検査)を行います。CT検査まで行うと異常があるかないかがはっきりし、異常がなければ経過観察となります。実際に異常があった場合にはさらなる精密検査が必要となるため、速やかに近隣の医療機関にご紹介いたします。なお、当院では近隣の医療機関をご紹介の上でCT検査を行って頂きます。
なるべく早い段階で受診ください
健康診断を受診して胸部の異常を指摘されたときは、なるべく早い段階で呼吸器内科を受診ください。健康診断の胸部X線検査は、病気の早期発見や早期治療につなげることを目的に行われており、少しでも疑わしい所見があれば異常を指摘します。専門医による精密検査の結果、とくに治療の必要性がないケースも少なくありませんが、重要な疾患が見つかるケースもあります。健康診断で異常を指摘された場合には、お気軽に当院までご相談ください。
このような病気の可能性があります
肺がん、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺炎、肺結核 など
肺がん
肺の気管や気管支、肺胞の一部の細胞が何らかの原因でがん化したものです。肺がんは大きく非小細胞肺がんと小細胞肺がんに分類されます。このうち非小細胞肺がんには、扁平上皮がん、腺がん、大細胞がんの3種類があります。
肺がんと言えば、喫煙がリスク因子として知られていますが、喫煙習慣のない方でも発症することがあります。その他、化学物質の吸入や大気汚染もリスク因子として知られています。
肺がんになっても初期の状態では特に症状はありませんが、進行すると長引く咳や血痰などの自覚症状が出現することがあります。
当院での検査の結果で肺がんが疑われる場合には、速やかに当院と提携している病院へ紹介させていただきます。
肺結核
結核菌という細菌を吸い込み、体内で増殖することで発症します。昭和20年代ごろまでは日本人の死亡原因の上位を占めていた病気ですが、抗結核薬が開発され、劇的に死亡率は改善しました。しかし、現在でも根絶された病気ではありません。主な症状は長引く咳や痰、微熱などで、特徴的な症状があまりありません。胸部レントゲン検査や痰の検査などで診断をつけますが、すぐには診断に到らない場合もあります。肺結核が強く疑われる場合には、当院と提携している病院への紹介も検討致します。