慢性閉塞性肺疾患(COPD)について

慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、喫煙が主な原因となり、肺が壊れてしまう病気のひとつです。以前は肺気腫と呼ばれていました。肺には「肺胞」と呼ばれる小さな袋が数億個集まっています。長い間タバコを吸っていると、タバコの煙に入っている有害物質によって肺胞が破れていきます。これをCT検査で確認すると、壊れた肺胞が集まった部分は黒く穴が空いたように見えます。このような状態を肺気腫と呼びます。また、タバコや化学物質などによって気管支が炎症を起こし、痰が出てしまう慢性気管支炎という病気も起こりやすくなります。こうした病気なると、少し運動しただけでも息が切れてしまったり、咳が出たりするので、日常生活に影響を及ぼしてしまいます。
主な症状
肺がどんどん壊れて行くと、肺全体の機能が低下し、動いた時の息切れや長引く咳・痰などが症状として現れてきます。軽症のうちは症状があまり出ないため、見逃されやすいのですが、長い間タバコを吸っている方で咳、痰、息切れが続く場合はCOPDを疑います。下表のような症状がみられるときは、お早めに当院を受診ください。
このような症状の方はお早めに受診ください
- 慢性的に咳が続いている
- 粘り気のある痰が出る
- 軽い運動でも息が切れる
- 階段を上るのがつらい
- 少し歩いただけでも呼吸が乱れる
- 咳が出ると止まらない
- 立ち仕事などがつらくなってきた
- 体重が減ってきた
など
慢性閉塞性肺疾患の治療(COPD)
呼吸機能検査や画像検査などによってCOPDと診断されたときは、禁煙、吸入療法、呼吸リハビリテーションなどを行います。喫煙されている方は一刻も早く禁煙することが大切です。タバコを吸い続けていると、肺の状態はどんどん悪化していき、治療が難しくなります。なかなか禁煙が難しいという方もいらっしゃると思いますが、その場合は当院の院長までご相談ください。患者さまとよく話し合ったうえで、禁煙プログラムを検討していきます。
禁煙と同時に、COPDに伴う症状を軽くするための吸入療法も行います。具体的には、病気の程度に応じて気管支を拡張したり、タバコの煙による炎症を抑える薬を吸入します。ただし、COPDが進行してしまうと、禁煙と薬物療法だけでは十分な効果が得られません。その場合は呼吸リハビリテーションや在宅酸素療法が必要になります。