間質性肺炎について

肺が硬くなって縮んでいく進行性の病気です。多くの場合は原因不明ですが、背景に関節リウマチや血管炎などの膠原病(自己免疫疾患)が隠れていることもあります。また、薬剤が原因となることも知られています。なお間質性肺炎には、いくつかタイプがありますが、原因不明の特発性間質性肺炎の中でも、とくに多いのが特発性肺線維症です。このほか、非特異性間質性肺炎、特発性器質化肺炎などの患者さまもいらっしゃいます。
主な症状
初期の段階では無症状であることがほとんどですが、徐々に痰を伴わない長引く咳、階段を上ったときの息切れなど、典型的な症状が起こります。病状が進行すると、少し体を動かしただけでも息切れや呼吸困難を感じるようになります。乾いた咳、息切れがあって聴診所見やレントゲンで異常がある場合、間質性肺炎を疑います。さらに詳しく調べるためにはCT検査や呼吸機能検査が必要になります。進行性の病気であり、急激に悪化することもあります。
間質性肺炎の治療
間質性肺炎の治療には、肺が縮んで硬くなることを抑える薬を内服することがありますが、基本的には総合病院などでの診療が望ましい病気といえます。一般論としては、喫煙者の方は速やかに禁煙を行います。これによって病気の進行を遅らせ、咳などの症状を減らす効果が期待できます。また、原因がはっきりしているのであれば、それを避けるようにします。例えば、アレルギーによって間質性肺炎が引き起こされているのならば、アレルゲンから遠ざかるようにします。また、膠原病などの免疫異常、特発性肺線維症以外の特発性間質性肺炎によるものであれば、免疫抑制薬やステロイドなどを使用します。血液中の酸素が不足して苦しい場合は、酸素療法も行います。さらに呼吸リハビリテーションが行うこともあります。